デザイン入門教室

デザインを始める前に

デザインで重要なことは、センスではなく下記の 2 つ

  • 目的を明確にすること
  • 基本ルールを学ぶこと

流れ

必要なものを洗い出してから、デザインに取りかかれ

  1. 情報の整理
    • 手持ち要素を確認する(原稿、写真、ロゴ、など)
    • いつ、誰が、どこで、なにを、どのように、を整理する
    • 目的・求める結果(例:来客増)を考える
    • 目的に応じて伝える情報(例:キャンペーン告知)を整理する。優先順位をつける
  2. レイアウト
    1. 版面・マージンの設定
    2. グリッドの設定
    3. 優先順位に基づき配置を決める
    4. 強弱の設定
  3. 配色
  4. 文字・書体選定
  5. 情報の図式化

その他

  • 視線の動きを意識する、視線を誘導するように留意する。
    • 目を引く写真等 → Z 型、N 型

レイアウトの基本ルール

版面・マージン

用語 意味
版面 要素を配置できる領域
マージン 要素を配置できない領域
版面率 全体に版面の占める割合
  • 版面率が高いと、にぎやか、楽しい
  • 版面率が低いと、静か、落ち着いた、高級

マージンは、上下と左右で揃える

グリッド

  • まとまった、整然とした、美しいレイアウトを簡単に実現できる。
  • レイアウトが容易になる

グループ化(近接効果)

  • 同じ意味や役割を持つ要素は近くに配置する
  • 関連が低い情報は、必要に応じて余白を作り、離して配置する。

揃える

  • 補助線を使ったり、グリッドを使って揃える。
  • 要素の端や、要素同士の間隔を揃える。
  • Tips
    • イレギュラーな形の図を揃えるには、視覚上の重量(軸)または占有領域を基に、手動で揃える
    • 中央揃えは基準線が見えにくい
    • ボックス内の文字のズレは見落としがち

コントラスト(対比)

強調したい部分|重要部分|面白い部分と、そうでない部分を区別するために、コントラストを使う。中途半端は ×、やるなら思い切りやる。

方法

  • 大きい文字と小さい文字の対比
  • 図版と文章の対比
  • 色と色の対比
  • 密度の高い部分と余白の対比

ジャンプ率

大きい部分と小さい部分の比率。等差数列(1,2,3,4)、等比数列(1,2,4,8)、フィボナッチ数列(1,1,2,3,5,8)などを基準にするとよい。

  • ジャンプ率が高い=センセーショナル
  • ジャンプ率が低い=高級感

文字のジャンプ率

本文のサイズに対する比率。瞬時に目を奪いたい場合は大きく、落ち着いて読む文章では小さく。

写真・図版のジャンプ率

  • 優先順位の高い(伝えたい)ものを大きくする
  • 又は最初に視線を持っていきたい図版を大きくする

反復・繰り返し

  • 繰り返すことでまとまりや統一感が生まれる
  • 繰り返しの数が多いほど効果が出る
  • 繰り返し要素については、極力すべてを揃える。一つでもずれると違和感が出る。
    • 図版のサイズ
    • 文字サイズ
    • 書体
    • 罫線
    • 配置
    • マージン
  • コントラスト(例:タイトルを大きく、本文は小さく)+繰り返し、のコンビは最強

裁ち落とし配置

図版を紙面からはみ出すように配置すること。

  • 空間的な広がりを強調する
  • 過去を切り取ったというより、いまそこにいるような感覚を与える

重心と見た目

要素には重さがある。紙面全体の重心が真ん中に来るようにする。重さは下記の要素で決まる。

(要素の大きさ)×(要素の濃度)×(要素の密度)

余白

余白の効果

  • 要素同士を結びつける(AB - 余白 - C なら、AB は仲間だと認識される)
  • 重要な部分を強調する(広い余白の中にぽつんとある要素は目立つ)

余白が少ない → 楽しげ、元気 余白が多い → 高級感、ゆったり

余白を意識的に使ったレイアウト

  • 要素を、左・右・上端・下端揃えにする。中央揃えは ×。
    • 広い余白を作ることで空間を演出できる
    • 橋が揃うことで安定感を出すことができる

空間の逃げ場を作る

四隅の全てに要素を配置すると窮屈で息苦しくなりがち。1 つ以上、要素のない隅をつくること。

シンメトリー

  • 中央揃え+左右対称
  • 格式、伝統、クラシカル、高貴、ゆったりという印象を作る効果がある。セリフ体と相性がよい。
  • 注意点
    • 左右の余白が少なすぎるのは ×
    • 要素が少なすぎるのも ×
  • レイアウト
    • 三角形 安定感
    • 逆三角形 緊張感

比較

鏡面対称、点対称、平行移動などの手法により、関連の強い 2 つの要素を対比させる手法。

黄金比・白銀比

レイアウト手法の一種。気休め程度に。

  • 1 : 1.1618 いい感じの比率(海外に多い、パルテノン神殿、iPhone など)
  • 1 : ルート2 いい感じの比率(日本に多い、法隆寺、A4 紙サイズなど)

1/3 の法則

バランスの取れたデザインにする方法。紙面が縦長なら縦に 3 分割、紙面が横長なら横に 3 分割して、1:2 の構図にすること。

例:ロゴを 1 の部分に配置、写真を 2 の部分に配置するなど

逆ピラミッド

効果:情報を短時間で効果的に伝える。

結論から詳細事項へ、順に上から記載する方法。

写真と画像

役割

百の文章よりも 1 つの写真のほうが効果的(画像優位性効果)。

図版の配置にはモンタージュ理論(配置の仕方でストーリーを作ること、または作らないこと)を意識する。

基本レイアウト

  • 四角版
    • 落ち着いた
    • 収まりが良い
  • 切り抜き版
    • すばやく情報を伝達できる
    • 楽しげ、動きのある
    • レイアウトスペースを広く取ることができる
  • 四方裁ち落とし
    • ディティールを見せる、迫力を演出する、没入感を出す
    • 文字が多い場合は 3 方裁ち落としにしたほうが良い
  • 三方裁ち落とし
    • 空間的な広がりを演出

トリミング

伝えたい内容はなにか、を考えて必要な部分を抜き出す作業。

空間の演出

被写体の向いている方向に空間を作ると、未来へ向かう感じ、逆は過去を振り返る感じ、など

サイズ

  • 全体を見せる  →  状況を正しく伝える効果
  • 寄りの写真  →  ディティールを強調し、五感に訴える

3 分割構図

3 分割した先の交点上に被写体を配置する。線上でも OK。緊張感がありながらもバランスの良い構図にできる。

関係性

  • 視線をスムーズに移動させるため、複数の関連ある写真を並べるときは、被写体の大きさを揃えること。
  • 顔の向きなど、写真の向きを考えて配置すること
  • 複数の写真で時間の流れを表現したり対比させたい場合は、複数の写真を同じ大きさで並べる。構図が似ている写真を使う。

写真と文字

写真に文字を書くときの注意点

  • 十分なコントラストを確保する
  • 情報量の少ない部分に書く

上記が十分に担保できない場合の解決策

  • 半透明の背景を追加する
  • 袋文字にする(あまり推奨されない)

文字色の決定

  • 写真に含まれている色、その色と相性がいい色、アクセントになる色、などから選ぶ
  • 写真の雰囲気を活かすなら無彩色を選択する

配色の基本

色の三属性

色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Brightness)のこと

  • 色相
    • 色相環 代表的な色を円状に並べたもの
    • 類似色 色相環で隣り合う色
    • 補色  色相環で反対側にある色
    • 反対色 補色の両サイドにある色
  • 彩度
    • 色の鮮やかさ
    • 純色  最も彩度が高い
    • 無彩色 最も彩度が低い
  • 明度
    • 色の明るさの度合い
    • 高いと白、低いと黒に近づく

トーン

  • 明度と彩度の組み合わせで決まる、色の調子のこと。
  • 配色を決める際は、同じもしくは近いトーンから色を選ぶことが多い。

色が持つイメージ

寒暖

暖色、寒色、中性色、無彩色

感情

色ごとに関連する感情がある。誠実、明るい、知的、純粋、など。詳細は本書参照。

配色が持つイメージ

色を組み合わせることで、もともとの色が持つイメージを強調したり抑えたりできる。詳細は本書参照。

色の作用と視認性

  • 進出色(=暖色)、後退色(=寒色)
  • 膨張色、収縮色
  • 空気遠近法(遠いものほど薄くする)

視認性

視認性は明度差で決まる

ハレーション

彩度の高い色どうしを組み合わせた時に目がチカチカする現象

セパーレーションカラー

隣接する 2 色を分割する色のこと。メリハリを付けたり全体を引き締める効果あり。

調和のとれた配色

ドミナント・トーン配色

トーンを固定し、色相を変えることで統一感を出す方法。例えば、類似色(色相環で隣り合う色)でまとめるなど。なお、背景だけはトーンが違っても OK。

ドミナント・カラー配色

色を固定(もしくは類似色を選択)し、トーンを変えることで、統一感を出す方法。色の持つイメージを伝えたい時に使う。例えば、同系色(同じ色の明度違い)でまとめるなど。

グラデーション

ベタ面に薄く明度差の小さいグラデーションを設定する  →  透明感、高級感

色の重さ

トーンが低い=重い、トーンが高い=軽い

色によって重心も変わるので、バランスをとる(あるいは意図的にとらない)こと。

文字と書体

基本

  • ゴシック・サンセリフ
    • 線幅が均一
    • 悪条件でも視認性に優れる
    • 線幅が太い=力強い、元気、ポップ、安定
    • 線幅が細い=明るい、繊細、女性、都会、モダン
  • 明朝・セリフ
    • 横線が細く縦線が太い
    • セリフ(うろこ)がある
    • 小さくても可読性に優れる
    • 線幅が太い=権威、歴史、男性、大人
    • 線幅が細い=柔軟、モダン、中性的、品格

書体の個性を把握する

書体の個性(印象)を把握し、カテゴリ化しておくと良い。

フォントは厳選する

強調用に 1 種類、読ませたい箇所用に 1 種類、くらいにしておく。

なお、ファミリー書体(同じ書体で異なる幅、ウェイトなどの書体)を使えば、統一感をもたせたまま変化をつけることもできる。

欧文には欧文書体

  • 欧文に和文書体は使うな。欧文書体を使うこと。
  • 欧文書体は和文書体よりも一回り小さい場合が多いので、手動によるサイズ調整(+110%が目安)・ベースラインの調整が必要。

カーニング

タイトルなど重要な部分は、手動でカーニングしたほうがよい。特に同幅フォントの和文フォントなら必須。調整はカンで行う。小文字や記号の周りに不必要な空白が生まれがち。欧文フォントなら W と A の間など。

アイコン化

  • 読ませる文章 = きちんと読んで理解してほしい部分
  • 見せる文字 = 一瞬で目に飛び込ませたい文字

見せる文字については、「アイコン化」することも検討する。

アイコン化のポイント

  • 数字には欧文書体を使用し大きく表示
  • 大事な文言は丸や四角で囲む
  • 全体が 1 つの塊に見えるように要素を配置する

文字は加工しない

町内会のチラシにならないように

文章のデザイン

書体 font-family

細いフォントを選ぶ。太いフォントは読みにくい。

サイズ font-size

  • 雑誌・カタログ・パンフレット  7.5-9pt
  • はがき  6-8pt
  • ポスター  17-23pt 以上
  • Web 12-16pt

行送り line-height

1.5 から 2 を目安に

行長

行送りが大きければ長く、小さければ短く

見出し

見出しは「適度に」目立たせる必要がある

  • 文字を太くする
  • 文字を大きくする
  • 罫線で囲む
  • 色を変える
  • 一部の文字をデザイン要素にする

インフォグラフィック

インフォグラフィックとは

Information + Graphic

  • 地図
  • チャート(点、線、面で構成した図)
  • グラフ
  • ピクトグラム
  • 路線図
  • 標識
  • マンガ表現 など

地図

省略

チャート

制作の流れ

  1. 情報やデータをしっかり理解し、何を伝えるかを整理する
  2. 誰でも理解できるように要素を仮配置する(構造をつくる)
  3. 見やすく、印象的な図で視覚化する

基本パターン

役割 種類 用途
要素をつなぐ 順列 マニュアルや年表など
要素をつなぐ 階層ツリー 組織図、家系図など
要素をつなぐ 放射型 相関図など
要素をつなぐ 環型 食物連鎖など
要素を含む 包含図 会社組織など
要素を含む 重複 色の混合など
要素を仕切る マトリックス図 分布を表す
要素を仕切る 表(比較・分割) 要素ごとに分類・整理する

基本要素

  • 矢印
  • アイコン
  • 囲み(吹き出しなど)

使用例

  • 割合の大きさを視覚化する
  • 流れ、手順を明確にする
  • 関係性を伝える

  • 罫線は少なくする
  • 行ごとに色分けたり、配色を工夫する

グラフ

棒グラフ

データの状態を表す

  • データの大小を比較したい場合は、降順又は昇順で並べる
  • それ以外の場合も、記載順に意味をもたせる(北から南、時間順、など)

円グラフ

データの割合を表す

  • 見やすい配色にする
  • 必要に応じて引き出し罫使う
  • 強調項目は立体化したり、円から切り離すなどする

帯グラフ

データの割合を前後比較可能な形で表す

  • 同じ項目は同じ色にする
  • グラフ自体は単調なので配色を工夫する

折れ線グラフ

データの遷移を表す

  • 線の表現に気を配る
    • 太さ、色分け
    • 実践と破線
    • 積み上げグラフにしてしまう など

レーダーチャート

全体のバランスやデータの傾向を表す

  • 薄い色を使うと重なっても見やすい

その他 TIPS

  • 見せる部分(写真やタイトル)と読ませる部分(本文等)を明確に分けてコントラストを付けると、スッキリしたデザインになる
  • 高級感を出すには色数を減らす